憧れの北海道暮らし:田舎暮らしの大誤算、畑作地帯のリアルな話
- 2015.04.21 Tuesday
いざ暮らしてみたら良いことばっかりじゃないのは、北海道だって
同じこと。今日は、ガイドブックは決して教えてくれない畑作地帯
のリアルなお話です。
同じこと。今日は、ガイドブックは決して教えてくれない畑作地帯
のリアルなお話です。

どこまでも広がる畑と防風林。憧れますよね。

空気はキレイで穏やかな時間が流れる。想像しただけで癒され
ますよね。
■ あなたはあの臭いに耐えられるか?!
畑に定期的に撒かれる肥料の一つに「たい肥」があります。北海
道で撒かれているのは、主なものは牛の糞から作られるたい肥。

メガ(巨大)ファームのたい肥舎です
酪農家が自分の所有する牧草畑に撒くこともあれば、畑作農家が
酪農家にお願いして撒いてもらうこともある。撒くタイミングはどこも
同じなので、地域一帯が一斉にかぐわしい香りに包まれます。
でもこれはまだ序の口で、悶絶ものなのが牛の尿。これも肥料と
して畑に撒かれます。
鼻の奥にツーンとくる、アンモニアと何かが発酵した刺激臭…ん〜
すいません、わたしの表現力を超えてます。幼い息子が本気で泣
いたことがあると言ったら、わかっていただけるでしょうか。
市街地に住んでいたって、地域一帯が畑作地帯ならどこに居ようと
風向きで流れてきます。逃れられないし、慣れることもありません。
お世話になった80歳になる農家のおじいさんは、「それで飯を食っ
ているから誰も何も言えないだけ。俺だっていまだに慣れないよ」と
言ってましたからね。
公害認定ものじゃないかと思うあの臭いに、どれだけの人が耐え続
けることができるのか、はなはだ疑問です。
■ 農村が静かなのは冬場だけ
広い畑には、大きな農業機械が必要です。大きな機械が畑を耕し
畑と畑の移動をする。収穫物を積むトラックがひっきりなしに道路を
走る。
ということは…当然、騒音がつきもの。

200馬力クラスで1千万円くらいのトラクター
家が畑に囲まれていたときは、作業中は窓ガラスがビリビリ音を立
て、地鳴りのような振動もしていました。とてもくつろげたものでは
ありません。
耕すのも、肥料や農薬を撒くのも、収穫するのも、作っている作物
が同じなら、同じタイミングで作業が進められます。だから、あたり
一帯で一斉に作業が始まり、トラクターやトラックが走りまわる。

騒音がいちばんひどいのは小麦の収穫時。小麦の収穫は雨に当
てたら絶対にダメなんです。乾燥させる手間と費用が発生するし
カビが生えたり、発芽して商品価値がなくなる危険性がある。
このときは日頃目にしている大型農業機械の比ではない、超大型
のコンバイン(収穫機械)を使って一気に刈り取ります。天気の合間
をぬって夜通し作業する。その騒音たるや凄まじいものがあります。
春から秋まで、早朝から夜遅くまで。畑作地帯に住んでいたら騒音
からは逃れられません。田園風景に憧れて、静かにのんびり暮らす
イメージを抱いて移住したら、大誤算必至です。
田舎暮らしはどうしても憧れが膨らんで、期待値が高くなりがちです。
本や雑誌は素敵な情報で溢れ、悪いことはほとんど載っていません。
まぁ当然ですよね、売れなくなりますから(笑)
お試し移住でリアルな暮らしを体験することは、必須ですよ〜。